カテゴリー「書籍・雑誌」の638件の記事

秋月瑞彦: 鉱物学概論―形態と組織

図書館でちょっと借りてみた。
「はじめに」が「戦争が終わり、国内の荒れ果てた多くの鉱山は再び活気をとりもどした」と始まるのでびっくりして奥付を見たら、1998年初版なのだが……出版社を変えた再版なのだろうか?

内容は鉱物学の実践的な本で、各論として色々な鉱物の形態を細かく説明してくれている。これほど鉱物ひとつひとつについて細かく構造論を語ってくれている日本語の教科書は始めて見た。
一方、逆格子について1ページもかけずにサラリと語るだけ、というのには固体物理系出身の私にはちとカルチャーショックだった。まさしく固体物理学ではなく鉱物学についての本。(☆☆☆☆)

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中井精也: Rail healing1日1鉄!

著者は鉄道写真で有名な方。というわけで図書館で借りてきた。

ステキな写真が多く、本も分厚すぎず大きすぎず読みやすい。なかなか良かった。フラッシュ+流し撮りで花を浮き上がらせながら撮る鉄道写真が面白い、今度私もやってみよう。
あと、大銀杏のある小湊鐵道上総久保駅、ここにも行ってみたくなった。(☆☆☆☆)


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東海林さだお: ショージ君の養生訓 (文春文庫)

過去のエッセイから、健康に関わるものを集めた作品集。なので書き下ろし新作は無い、注意。
前に読んだことのあるものも多かった。フツー。(☆☆☆)

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近山晶: 鉱物・宝石の不思議 (図解雑学)

鉱物学の入門書として期待して図書館で借りてみたのだが、いまいちだった。

著者は鉱物学や地球科学ではなく宝石畑の人なので、そちらからの記述が多い。トルマリンの説明で「マイナスイオン」と書いてあるのを見た瞬間、読む価値ナシと判断して返してきた。
前半の鉱物の説明はそれなりにまともだったし、写真も豊富でまぁまぁ良い本ではあったのだが。残念。(☆☆☆)

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斉藤喜彦, 伊藤正時: 結晶の話 (化学の話シリーズ (7))

結晶について様々な学者のエピソードを交えつつ、色々と語ってくださる固体物理学入門書。

本来は高校生向けということもあり、難易度的にもその辺。イオン結合や単位格子など一つ一つの概念が、感覚的にかつ論理的に分かりやすく書かれていてなかなか良かった。
ページも少なめでサラリと読めるので、高校生だけでなく一般の方も是非。(☆☆☆)

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津江保彦「物理でほっと―コーヒータイムの5つの物理」

図書館で目に付いたので借りてみた。著者は原子核理論系の先生らしいけど、この本は一般の人向けに書かれているので高校数学くらいの知識があれば十分理解できる。

本は薄いけど、内容はなかなか面白い話がみっちりしていて読み応えがあった。白色矮星の質量を求める辺りで、「そうか、理論系の人たちはこういう考えをするのかぁ〜」とちょっと目ウロコだった(私は昔は実験系の院生だったので)。
磁気単極子が存在すると仮定すれば、角運動量の量子化の要請から、素電荷の存在が理論的に証明される……というくだりも「ほぉぉ〜〜」とうなってしまった。ディラックはそんなこと言ってたのかぁ、全然知らなかった。この議論、物理系の学部生でもやろうと思えば十分考えつくよねぇ。これが天才の考えなんだなぁ。「div B = 0 だからモノポール無いじゃん」で終わらせていた私とは大違いだ。

まぁそんなわけで、ちょっと物理に興味ある人から、昔物理をやっていた人まで幅広くオススメです。薄い本なのですぐ読めるしね(☆☆☆☆☆)

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大田区立郷土博物館: 工場まちの探検ガイド

これは大田区立郷土博物館の特別展図録なので、一般には販売されてない。
大田区立図書館にあったので借りてみた。

大田区の工場街にスポットを当ててその歴史を探っていくのだけど、これがなかなか面白かった。戦時中の写真など、結構よそでは見られない面白い写真が多い。セガ・エンタープライゼス(今のSEGA)の開発風景など興味引かれる写真もある。今でも買えるなら一冊欲しいな。
ただ、誤字脱字の多さには閉口。もうちょっとちゃんと校正して欲しかった、一回読んだだけで気が付くような派手な誤植が多すぎ。(☆☆☆☆)

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松尾信之: 零細起業―謎の職業「猫の手、貸します」

会社を退職して便利屋を始めた著者の体験記という感じ。
書評では評価良かったみたいだけど、ぜんぜん面白くなかった。特に後半の、いかにも団塊世代っぽい語りにはちとうんざり。買わないで図書館で借りて良かったわ。(☆)

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椎名誠: でか足国探検記 (新潮文庫)

シーナさんの、チリ・アルゼンチン探検記。しかしどうもパワー不足かつ面白さ不足で、あまり楽しめなかった。
あやしい探検隊シリーズとするには、どうも椎名さん以外の登場人物の影が薄い。探検記として読むにしても「行ってみたい!!」と思う場面が少なくいまいちだったなぁ。(☆☆☆)

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林亮介: 迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル? (GA文庫)

会社のfalz先輩のお知り合いが書かれていると聞いて、さっそく買ってみた。京都に突如出現したダンジョンに潜ってモンスターを狩る者達の群像劇。ちょっとPBMっぽい感じもするなぁ。
いかにもライトノベルっぽい雰囲気だったので、買った後で最初数ページをパラパラと見て「失敗したかなぁ……つまんなそう」と思ったのだが、意外に意外、なかなか面白かった。

内容は、これはもうはっきりと「現代日本版Wizardry」である。地上の酒場で仲間集めとか宝箱(とはちょっと違うけど)の罠とか死体回収に別パーティが行くとか、そこかしこに感じられるWiz臭がオールドゲーマーな我々にはとても心地よい。そこでの現代日本社会に生きる主人公達の行動は、まさに隣り合わせの灰と青春。
筆者も決してWizが元ネタということを隠そうとせず、Vorpal Bunnyを普通に登場させてるしね(笑。タカ派・ハト派というのも、Good/Evilから取られているわけですな。

まぁそんなわけで、オールドゲーマーでかつて夜な夜なダンジョンに潜っていた奴らは楽しめるから是非読むべし。
でも、ウィザードリィやったことない最近の若い子が、この本読んで楽しめるんだろうか? と逆に心配になってしまった。(☆☆☆☆)

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