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2013年4月

松田修: 万葉の植物

万葉集に読まれた植物を、写真と共に取り上げてひとつひとつ語ってくださる。
単なる植物図鑑ではなく、歌をからめた紹介の仕方がなかなか面白かった。文庫サイズのコンパクトな本。(☆☆☆☆)

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駒田信二: 漢詩百選 人生の哀歓 (ちくま文庫)

「旅情」「戦乱」「別離」「望郷」「情愛」の5編で漢詩を色々と紹介してくださる。
パラリパラリと適当に開いたページで楽しめる。枕元にも良き一冊。(☆☆☆)

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飯沢耕太郎: 日本写真史を歩く (ちくま学芸文庫)

明治から昭和初期、日本の写真家を取り上げて日本写真史を巡る。
ちょっと文章が感傷的すぎる気もするけど、知らない写真家も多くて面白かった。グアテマラに生きた屋須弘平、シベリアで凍った豚をノコギリで引く写真の陸軍参謀本部陸地測量部写真班、ヒマラヤ撮影の長谷川傳次郎、商業写真の金丸重嶺(しげね)。(☆☆☆☆)

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ユクスキュル/クリサート: 生物から見た世界 (岩波文庫)

ちょっと小難しいけど、なかなか面白かった。「環世界」というものを導入し、動物がどのように世界を捉えているかを考える本。
カタツムリにとっては、振動する棒は1秒に4回までは「静止している」というくだりはフルえた。

いささか古典すぎるきらいはあるけど、新しい視点が増えた本でした(☆☆☆☆)。

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手塚治虫「戦争漫画」傑作選 (祥伝社新書)

やー、これはどれも傑作だ。手塚治虫が描く戦争マンガ、どれもが戦争体験者だからこそ書ける生々しさと力強さ。

収録作品は以下7点。
*紙の砦
戦時中、工場で空襲に遭いながらもマンガを描き続ける。これは有名作品だし以前もどこかで読んだ。
*新・聊斎志異 女郎蜘蛛
画家のおはなし
*処刑は3時におわった
ナチス将校の処刑と時間操作の薬。ちょっとSFっぽい
*大将軍 森へ行く
ジャングルと日本軍将軍
*モンモン山が泣いてるよ
戦時中の田舎の小学校
*ZEPHYRUS(ゼフィルス)
チョウチョを追う
*すきっ腹のブルース
戦後のマンガ家志望の若者と食い気

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椎名誠: あやしい探検隊 北海道物乞い旅

わっ、あやしい探検隊の新刊が出ている! と思って図書館で急いで借りてきた。
北海道物乞い旅行とテーマを決めていたらしいのだが、行く先々で知り合いの方々からご馳走をいただく……という感じで終始しており、正直ちょっとガッカリだった。なんだか、まるで美味しんぼがつまらくなっていったのを再現しているかのよう。

確かに色々と「ウマソー」ではあるけど、あまり楽しめませんでした。残念。(☆☆☆)

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布川秀男: デジタルカメラを楽しむマクロ撮影の世界

マクロ撮影とタイトルではうたいつつ、著者の私的作品集という感じ。
ネコヤナギと、タンポポの種の写真がなかなか良かったけど、あんまりピンと来る本では無かったかなぁ。(☆☆☆)

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まんが トキワ荘物語(祥伝社新書)

トキワ荘に住んでいたマンガ家たちが、当時の思い出をマンガで語る作品集。
1970年、雑誌「COM」に連載されていたのをまとめ直した本らしい。

これは面白い本だったー。特に良かったのは赤塚不二男の作品で、マンガ家を諦めようとするのを寺田ヒロオに諭されるエピソード。いい人だったんだなぁ。
石ノ森章太郎の怪童っぷりや、つのだじろうの「マジメ」っぷり、森安なおやの我が道を行くマンガも面白い。

私は先日まで豊島区南長崎に住んでおり、トキワ荘がすぐそばにあったんだなぁというのも思い出補正。いやー、素晴らしい一冊だった。


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えすとえむ: うどんの女 (Feelコミックス)

美大生と、食堂のおばちゃん(出戻り・バツイチ・35)。二人を結ぶのは、うどん。

レディコミっぽいけど、お互いにじわじわと妄想するシーンなどが妙に男臭くてとても面白かった。これ1巻で終わりなのが残念だなぁ。
1冊読み切りのコミックスは好きで結構たくさん読んだけど、これはなかなかの傑作だった。おすすめ。(☆☆☆☆☆)

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岸川真: フリーという生き方 (岩波ジュニア新書)

フリーの編集者・シナリオライターの著者による、若い人向けのフリー生活紹介。
苦労したこと、大変だったことが色々語られているのだが、「うーん、なんかずいぶん運がいい人だし、色々周りの人から助けてもらえていて羨ましいなぁ」というひねくれた感想を持ってしまった。おっさんのひがみかなぁ。(☆☆☆)

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野間寅美: 生きるための海―海のサバイバル

海上保安官として長年働いた著者による、海難救助の記録。
さまざまな事件を紹介しつつ、現場の苦労や実態を語ってくださる。

ロープは結び目を作って投げること、漂流開始当初は空腹や寒さではなく絶望で死んでいく、など興味深い話が多かった。しかしやたらと説教臭い文章はたまにキズ。(☆☆☆☆)


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長崎誠三: 科学する眼 はてなを調べ、考える

理工書で有名なアグネ技術センターの創設者である著者が、金属に関わるさまざまなお話を語ってくださる。
亡くなったあとにあちこちの雑誌に寄稿していたのをまとめたそうで、若干のゴッタ煮感はあるけど、内容はどれも深くそして面白い。一応、過去には材料・物性系の専門だった私であるが、はじめて知ることも多かった。ガラスの製法の歴史なども興味深い一冊。(☆☆☆☆)

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吉野正敏: 風の博物誌

地球と風、人間と風、様々な風に関わるモノの写真。80ページほどの薄い本だけど、写真がぎっしりと詰まっており見応えがある。
気象関係の参考資料としても読みやすいし、パラパラめくるだけでも楽しい。風はいいな。(☆☆☆☆)

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