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椎名誠: 続 大きな約束

今さら気が付いたけど、これは「岳物語」からウン十年、シーナ家の私小説の続きなのだな。
しかし中身は普段のエッセイっぽい感じなので、小説という気は全くしない。

本作で一番衝撃なのは、中学生になった息子が、「岳物語」に自分のことが書かれているのがイヤでイヤで仕方が無かったというくだり。

ある日彼はわたしの部屋に飛び込んできて、その本を床に叩きつけ「こんなことを二度と書くな。今すぐ日本中の本屋からこの本を無くしてくれ」と叫んだ。目に涙があった。
確かに、あの小説は父親から息子への愛情がしっかりと書かれてはいたものの、中学生の男子にとっては「うざったい」ことこの上ないものだろう。そして、モノカキとして最も書きたいテーマであったろうに、その言葉をきっちりと受け止めて以後一切「岳物語」の続きを書くことは無かったシーナさん。
私もこの年になると、その両方の感情が分かるため、なんだかとてもモヤモヤする。面白い中にも深みのある、良い本でした。(☆☆☆☆☆)

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