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2013年2月

佐野眞一: 日本のゴミ―豊かさの中でモノたちは (ちくま文庫)

タイトル通り、日本のゴミ事情を追った力強いフィクション。
テーマは、自動車・ファッション・OA機器・紙・電池・ビル・水・医療・食・器・核・生き物と実に幅広く、しかもそれが一つ一つ綿密な調査で書かれている。

どれも重いテーマで、現代の大量消費社会を力強く批判する書物だった。(☆☆☆☆)

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椎名誠: 足のカカトをかじるイヌ

「本の雑誌」に掲載されていたエッセイをまとめたもの。2007-2010年頃のおはなし。
相変わらず精力的にどかどかとあちこちに出かけ、どかどかと思うところを書いてくださる。軽く読めて楽しい一冊。(☆☆☆☆)

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荒木経惟, 荒木陽子: 東京は、秋

アラーキー夫妻の対談写真集(?)。銀座、新宿の街を撮ったものが多いかな。
昔の新宿裏通りの様子などなかなか興味深かったけど、ピンと来る作品は無かったかなー。(☆☆☆)

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東海林さだお: いかめしの丸かじり

丸かじりシリーズの32。ビアガーデン、「まあまあ、ひとつ」、新国会丼、タコ、柴漬食べたい、四角いおにぎりなど。
相変わらずサラリと読める一冊。(☆☆☆)

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下町新景 - 天空へ続くツリーが出現したまち

東京スカイツリーの周辺、その下町の写真集。
どの写真もスカイツリーが入っており、「コレハ……」と唸るものもあれば、正直全然ピンと来ないものもあった。まぁ普通か。(☆☆☆)

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椎名誠: 続 大きな約束

今さら気が付いたけど、これは「岳物語」からウン十年、シーナ家の私小説の続きなのだな。
しかし中身は普段のエッセイっぽい感じなので、小説という気は全くしない。

本作で一番衝撃なのは、中学生になった息子が、「岳物語」に自分のことが書かれているのがイヤでイヤで仕方が無かったというくだり。

ある日彼はわたしの部屋に飛び込んできて、その本を床に叩きつけ「こんなことを二度と書くな。今すぐ日本中の本屋からこの本を無くしてくれ」と叫んだ。目に涙があった。
確かに、あの小説は父親から息子への愛情がしっかりと書かれてはいたものの、中学生の男子にとっては「うざったい」ことこの上ないものだろう。そして、モノカキとして最も書きたいテーマであったろうに、その言葉をきっちりと受け止めて以後一切「岳物語」の続きを書くことは無かったシーナさん。
私もこの年になると、その両方の感情が分かるため、なんだかとてもモヤモヤする。面白い中にも深みのある、良い本でした。(☆☆☆☆☆)

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椎名誠: シベリア夢幻―零下59度のツンドラを行く

シベリア横断旅行の写真集+文章。黒い馬が白馬になってしまったなど、他のエッセイで読んだ話も結構多かったけど、静かな雰囲気と添えられたシーナさんの語りが実に良く合っている。
フィルムのパーフォレーションが寒さで切れてしまった写真も載っていて、なかなか素敵な写真集でした。(☆☆☆☆)

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植村直己: 極北に駆ける

南極大陸の横断にそなえ、グリーンランドのシオラパルクという部落からウパナビックまで、犬橇で3000kmを行くお話。
いやー、これは本当に冒険家だなぁ。いささか無謀すぎるのではと思う部分も多々あったけど、この力強さには脱帽。しかし犬橇というのはなかなかシビアな乗り物なんだね。犬好きは犬橇を使ってはいけない、ということがよく分かった。

エスキモーの暮らしや風俗、食べ物(例の有名なキビアとか)が色々出てくるのも面白い。楽しめる一冊でした。マル。(☆☆☆☆)

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椎名誠: まわれ映写機

子供の頃の幻灯機の思い出から映画監督となるまで、シーナさんの映画遍歴を語った一冊。
「ガクの冒険」をどのように撮ったのか、そのいきさつや当時の様子も多く書かれている。現場での行き違いや言い争いのようなものまであっけらかんと、隠すとことなく書かれていてなかなか生々しい、けど面白い本でした。(☆☆☆☆)

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水木しげる: ゲゲゲの素

京極夏彦が選ぶ、水木しげるの妖怪モノ短編集。
うーむ、どれも面白いけど、「コレハ!」という傑作は無かったかなー。(☆☆☆☆)

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