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2012年8月

前島康彦: 哲学堂公園 (東京公園文庫〈21〉)

東京都中野区にある哲学堂公園、その成り立ちと概要を記したもの。

この本は、哲学堂の創設者・井上円了氏が公刊した大正四年の「哲学堂案内」が下敷きになっており、古い時代を覗き込むようでなかなか面白い。ただ、一度でも公園に行ったことが無い人には、正直退屈な本だろう。
まず公園に行って、ウロウロ歩いてみてから読むと、「ああ、あれが!」と素直な感動に浸れます。(☆☆☆☆)

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星野俊光: 東京湾岸のねこたち

タイトル通り、海沿いの街に住む猫たちを追った写真集。
ちょっと作為的すぎに感じるものもあったけど、夕刻に急ぎ足の猫など、素敵な作品も多かった。堤防の上、猫と人の影絵のようなのも良い。(☆☆☆☆)

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太田威重: 東京 猫もよう―太田威重写真集

東京の猫写真集。
うーん、クスリとするようなものはあったけど、「これ!」という衝撃を受ける写真は無かったかな。普通。(☆☆☆)


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増田悦佐: 新・東京圏 これから伸びる街

うーん、イマイチな本だった。

東京の街歩き日記だけど、文章がどうも説教臭い爺さんっぽくて、読んでいてまったく楽しめない。写真もどれも微妙な雰囲気。
表紙の文字入れなど、装丁もなんだか全般的に古臭くて悪い意味で昭和っぽい。団塊世代向けなのかな? 残念な一冊。(☆☆)

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町田康: パンク侍、斬られて候

これは面白かったー。失礼を承知で言えば、筒井康隆っぽい。
一歩間違えるとただのイヤミったらしい、くどくど文章になるような記述が多いのだが、それが実にすっきり読めて素晴らしい。

どこか奇妙に現代が絡みつつある江戸時代、主人公のパンク侍・掛十之進が新興宗教「腹ふり党」の危機を説きながら藩へと入り込む。藩内では、現代日本がごときサラリーマン社会。猿回しをやり、猿はしゃべる。くだらぬことで責任をなすりつけ合う。腹ふり党は腹を振り、殿は正論ばかりで無能。終盤はスラップスティックではちゃめちゃ、しかしただ滅茶苦茶にするだけではない筆力。
いやー、面白かった。この作者さんの他の作品も読みたい。(☆☆☆☆☆)

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伊坂幸太郎: あるキング

仙醍キングスというプロ野球団と天才野球選手「王求」をめぐるお話、そして現代版「マクベス」。

うーん、パロディというには中途半端で、下敷きとしたというのも違う。全体にビミョーであまり面白く無かった。
野球小説なら堂場瞬一「8年」が面白かったけど、あれに比べると全然だなあという印象。残念。(☆☆☆)

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ショーン・B・キャロル: シマウマの縞 蝶の模様 エボデボ革命が解き明かす生物デザインの起源

進化発生学のエボデボ革命について色々と語ってくださる。胚の地図、ツールキット遺伝子。
内容は結構専門的で、ついて行けずにとばし読みする部分も多々あった。またどうも感情的になりすぎて嫌味な書き口に閉口するところも見られる。あんまり楽しく読めなかった。(☆☆☆)

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戸田杏子, さとうあきら: 動物園が大好き (とんぼの本)

動物園を語る写真集。

ただ単に「カワイイ」写真を載せるだけでなく、かといってそんなに小難しいわけでもない。もっと動物園に行って楽しもうよ、という軽い感じの本。
ちょっと古い本なんだけど、肩肘張らない感じが好きでした。(☆☆☆☆)

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乙一: 失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫)

短編「しあわせは子猫のかたち」と、表題の「失踪HOLIDAY」を収録。
うーん、しかし両方ともつまらなかった。(☆☆)

*しあわせは子猫のかたち
むむむ、気持ち悪い……作品全体のむずがゆさと、主人公の気持ち悪さに全然読めなかった。
叔父の紹介で住むことになった家、そこに以前に住んでいた写真家の女性の思いとの交流という感じだけど、主人公が気持ち悪くてムリ。暗室とか小ネタが出てきたので「実は停止液に酢酸ではなくクエン酸を使っていたのだ!」みたいなマニアックなトリックを期待していたら、写真家というのは本当にただの味付けという感じでガッカリ。

*失踪HOLIDAY
ワガママお嬢様が家出してのドタバタ劇……なんだけど、痛快さがまったくなくて、途中で読むのをやめてしまった。面白いテーマになるだろうになあ。残念。

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椎名誠: 大きな約束 (集英社文庫)

椎名誠の私小説。孫の「風太」くんを描きつつも、「ああ、ずいぶんとシーナさんもお爺さんになってしまったんだなあ……」と色々思うことも多い。
しみじみと面白い一冊でした。続編の「続 大きな約束」もあるそうな、読まねば。(☆☆☆☆)

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高橋健司: 空のほほえみ

雲と空の写真集。見開き2ページで色々な気象現象に絡めて、雲の様々なお話を語ってくださる。
パラリパラリと読みやすく、写真も美しいなかなかステキな本でした。(☆☆☆☆)

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岡崎京子: エンド・オブ・ザ・ワールド

岡崎京子の短編集。うーん、レディコミ、という感じ。
どれも粒ぞろいの佳作という雰囲気だったかなー。面白く読めたけど、これと言って強烈なのは無かった。(☆☆☆☆)

*エンド・オブ・ザ・ワールド
両親を殺して逃走を続ける義理の兄妹のお話。荒野で事故った若い女性が目の前で死んでいく、地味にアメリカンな感じが良い。

*VAMPS
現代日本版の吸血鬼おはなし。ヴァンパイアおかーさんと三姉妹。

*ひまわり
小学生とおねーさんのお話。フツー。

*水の中の小さな太陽
小さい頃に溺れ死にそうになった経験を持つミーナ、普通の高校生サヤカ、そしてイケメンなユーヤのお話。
ドラッグと爛れた生活感が地味にマル。うーん、しかしこれも佳作かな。

*乙女ちゃん
妻を亡くして定年退職した父親が、スカートを履くようになった! というお話。
うーん、あんまりピンと来なかったな。

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中場利一: 岸和田少年愚連隊 (講談社文庫)

岸和田で生まれ育った少年の、ケンカ・ケンカ・ケンカ人生を描いた青春(?)小説。
こういう系にありがちな変なイヤらしさが無く、なかなか楽しく読めた。血みどろな生活の日々、しかしどこかあっけらかんとした底抜けの明るさが良い。(☆☆☆☆)

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アーサー・C. クラーク: 神の鉄槌 (ハヤカワ文庫SF)

これは面白かったー。地球に衝突することが判明した隕石「カーリー」を巡る人びとの群像劇。
ネビル・シュート「渚にて」のような一種の終末モノでもあるのだけど、これは隕石の軌道を変えるためにマスドライバー「ゴライアス」の方が終末というのがちょっと面白い。

最悪の事態を想定して自身のバックアップを取るコンピュータ「デイヴィッド」、宇宙間通信、色々な背景が実に明確に「それっぽい」未来でさすがはクラークと唸らされる。
物語も最後までワクワクドキドキ、娯楽作としても面白かった。おすすめSF。(☆☆☆☆☆)

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岩合光昭: どうぶつ家族

世界各地の野生動物写真集。
実に雄大で素晴らしい写真ばかりで、とてもいい本だった。アカシアのトゲを気にせず食べるキリンが、ちょっとユーモラス。リスが花を味わうショットは、完璧すぎて怖いくらい。

あと良かった写真。
・ファイトするカンガルー。抱き合ってるようにも見える。
・花畑の中のカンガルー。
・水面にピンクの線として映り込むフラミンゴの群れ。
・ひょいと顔を出すウミガメの子
・母親を残して去っていくアフリカゾウ

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岩合光昭: 魔法のどうぶつえん 旭山動物園写真集 (Pen BOOKS)

旭山動物園の写真集。サイズは比較的コンパクトで、どの動物もとても魅力的で良い。
・かゆいホッキョクグマ
・黒バックで美しい水中のアザラシ
・クールなシンリンオオカミ
・草をはむチンパンジー
・ロープを渡るオランウータン
・お腹を見せて寝転がるライオン
・ネコのようなあくびをするウンピョウ
・水面を泳ぐペンギンを水中から撮ると、空を飛んでいるように見える
図鑑的ではなく、かと言って可愛さばかりを追求したものでもない。美しく興味深い写真集でした。おすすめ。(☆☆☆☆☆)

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ヘルムート・ニュートンRSF写真集

「国境なき記者団」ニュートン氏の、追悼(?)写真集。フランス版に、日本語のカバーを付けただけだった。
都市の人びとのスナップ写真が多かった。うーん、あまりピンと来るのは無かったかな。(☆☆☆)

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