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新井紀子: コンピュータが仕事を奪う

タイトルをパッと見て、「また、胡散臭いおっさんが、エラソーに語るつまんない本だろうな……」と思っていたら全然違った。

本書は、コンピュータの仕組みと労働経済への関わりについて、高度ながらとても分かりやすく語ってくださる。コンピュータには何ができるのか、何ができないのか。コンピュータは何が得意なのか、何が不得意なのか。コンピュータの発展にともない、人間が要らなくなるのはどんなことなのか。このあたりの勘所が実に丁寧に書かれており、専門家でも初心者でも参考になる。
今、人間がやっている仕事がどれだけコンピュータに奪われようとしているかについても、こういうタイトルの本にありがちな妙に煽るような書き方ではなく、淡々としかし確実に、そして納得できる形で語られる。

パターン認識などコンピュータの不得意な分野を20世紀には演繹で解決しようとしたが、21世紀になり膨大なデータを与えることによって帰納で解決した……というくだりは、今まで漠然と考えていたものが「なるほどぉ」と納得できる瞬間だった。
人間がなんとなく感じる、何か「におう」、そういうものを1テラを聞いて10を知る状態にする……という流れは分かりやすい。

コンピュータは数学の論理で動いており、数学的考え方は現代社会で必須。ということを力強く宣言する一冊。高校生・大学生にもオススメ。(☆☆☆☆)


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