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2012年3月

東村アキコ: 海月姫(6) (講談社コミックスキス)

天水館でのJerryfishファッションショー、その開催準備の巻。
ドレス職人のノムさん、千絵子母(韓流ファン)などが登場。そして、モデルデビューするまやや殿が今回の主役。

それにしても、フランス人形ではボンドで服を貼ってるのかー。すげー。
鯉淵パーティーに「ローストビーフ、タッパーに詰めてきてくれ」と言う、ばんばさんの通常進行もマル。面白かった。(☆☆☆☆)

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東村アキコ: 海月姫(5) (講談社コミックスキス)

ううむ、相変わらず面白い。
第5巻は、舞台「25人のオフィーリア」のために、月海がクラゲドレスのデザイナーとして活躍。

花森さんがマスダヤにお使いにやらされたり、よく焼き派のまやや絶叫など見所満載。ばんばさんのジェリーフィッシュ路線図ロゴも地味に笑えた。(☆☆☆☆)

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高橋孟: 海軍めしたき物語

真珠湾攻撃やミッドウェー海戦の戦況について書かれた書物は山ほどあるだろうが、「ミッドウェー海戦では、めしをどう作りどう食べたか」などと書かれているモノはこの本以外に無いだろう。
これは、海軍主計科として配属された著者が、戦艦・霧島でいかにめしを作ったかという記録。後半は海軍経理学校へと行き、転属して武昌丸の最後を共にする。

色々と戦争モノは読んだけど、この本は実に生々しくリアルに当時の模様が見えて、面白くかつキツい一冊だった。陸軍に比べると海軍はマシとは聞いてはいたけど、それでも新兵いじめの様子など読んでいると、本当に日本人のダメなところ、イヤな性格ってのは全く変わらないんだなぁ……とちょっと暗澹たる気持ちにもなる。

予定通り使い切れず余った麦をデッコ(廃棄)するとか、どうでもいいような小さいことに拘るくせに大局的な大失敗はなんのお咎めナシとか、本当に今の日本そのまま。本当に人間って進歩しないもんなんだなぁ。
21世紀の日本で再評価されて欲しい一冊。(☆☆☆☆☆)

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新井紀子: コンピュータが仕事を奪う

タイトルをパッと見て、「また、胡散臭いおっさんが、エラソーに語るつまんない本だろうな……」と思っていたら全然違った。

本書は、コンピュータの仕組みと労働経済への関わりについて、高度ながらとても分かりやすく語ってくださる。コンピュータには何ができるのか、何ができないのか。コンピュータは何が得意なのか、何が不得意なのか。コンピュータの発展にともない、人間が要らなくなるのはどんなことなのか。このあたりの勘所が実に丁寧に書かれており、専門家でも初心者でも参考になる。
今、人間がやっている仕事がどれだけコンピュータに奪われようとしているかについても、こういうタイトルの本にありがちな妙に煽るような書き方ではなく、淡々としかし確実に、そして納得できる形で語られる。

パターン認識などコンピュータの不得意な分野を20世紀には演繹で解決しようとしたが、21世紀になり膨大なデータを与えることによって帰納で解決した……というくだりは、今まで漠然と考えていたものが「なるほどぉ」と納得できる瞬間だった。
人間がなんとなく感じる、何か「におう」、そういうものを1テラを聞いて10を知る状態にする……という流れは分かりやすい。

コンピュータは数学の論理で動いており、数学的考え方は現代社会で必須。ということを力強く宣言する一冊。高校生・大学生にもオススメ。(☆☆☆☆)


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丸田祥三: 写真対話集 問いかける風景

1960年台から現在まで、各時代の写真と対談。という感じ。
鉄道の写真が多めで、1978年の原町田駅、などちょっと興味深い。真壁駅前の廃屋、など「ほほう」と思う写真はあったけど、あまりブン殴られるような衝撃を受けたってのは無かったかな。普通。(☆☆☆)

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田尻智: パックランドでつかまえて―テレビゲームの青春物語

「ゲームフリーク」の創設者、そして「クインティ」で有名なゲームデザイナー田尻氏によるゲーム青春日記。JICC出版局の「ファミコン必勝本」への連載をまとめたもの。
当時の光景をしのばせる記述が、我々の昔懐かしさをくすぐってくれてなかなか面白い。しかし、この前にゾルゲ市蔵「8bit年代記」と押切蓮介「ピコピコ少年」を読んでしまっていたため、ややパワー不足を感じてしまったのも確か。

巻末の「ゲームフリークはバグと戯れる」でピンボールからビデオゲーム史を語って下さるのはなかなか興味深い。ゲーム好きにはおすすめの一冊。(☆☆☆☆)

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宮本常一: 生業の歴史 (双書・日本民衆史6)

最近、民俗系のおはなしに興味を持ったので図書館で借りてきた。
日本における職業のおこり、職業への貴賎感、山と海と都市での生活などについて語ってくださる。

今までこういう観点から日本史を考えたことが無かったので、とても新鮮で面白い本だった。
政治史としての流れがある一方で、こういう「民衆史」が確かに裏にはあったんだよなあ……と再確認。手元に置いておきたくなる一冊でした。おすすめ。(☆☆☆☆)

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押切蓮介: ピコピコ少年TURBO

前作「ピコピコ少年の続編」当時のゲームっ子時代を語る回想録のマンガ。
今回の作品も面白かったー。学生時代の全てを生活をゲームにつぎ込んでいた、そのパワーには脱帽。
私も色々と共感できるところが多いわー。

「愛しさと切なさと憎たらしさと少年」の話は特に良かった。学校ではまったく話すことのない冷たい子、古賀さんとひょんなことからぷよぷよ対戦。
結果、完膚無きまでにブチのめして泣かせてしまうのだが、中学生男女のふれあいってこんなもんだよねえ。一部のおませさんだけが上手くやっていける。子供だったりウブだったりすると、とことんダメ。

なんだか物寂しい雰囲気の素敵な一作でした。すべてのゲーム好きにはおすすめ。(☆☆☆☆☆)

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小林祥次郎: くいもの 食の語源と博物誌

タイトル通り、食べ物の色々な語源を紹介する。

著者の筆の向くままという感じで、各項目の記述はかなりバラ付きがある。「〜〜だろうか」で唐突に終わるものも多く、学術的な本というよりはエッセイという感じ。
しかしそれが逆に、気軽にパラパラと読める本になっていて良かった。なかなか面白い一冊でしたな。(☆☆☆☆)

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中条省平: 小説家になる!―芥川賞・直木賞だって狙える12講 (ちくま文庫)

小説家になるハウツー本……と思わせつつ、文学論で小説にコメント付けていくという感じ。
うーん、この本は読みにくい。いかにも文学部のセンセイ的な文章で、こういうのダメな私にはちょっとムリでした。途中でギブアップ。(☆☆)

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繁延あづさ: カメラ教室 子どもとの暮らし、撮ろう

ママさんのためのカメラ入門書、という感じ。
ガチガチのハウツー本ではなく、フィーリング重視のふんわりと柔らかい本。

ちょっとオシャレな写真を撮ってみたいわというカメラ女子的お母さんにはオススメかもしれんけど、私はあまりピンと来なかったかな。普通でした。(☆☆☆)

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妹尾河童: 河童が覗いたニッポン

覗いたシリーズ、今作は日本のあちこちの色んなモノを覗いてくる。
京都地下鉄、盲導犬ロボット、山あげ祭、皇居、走らないオリエント急行、CFづくり、テント劇場、刑務所。

一番心に残ったのは、北海道の集治監かな。恥ずかしながら、北海道の道路工事にこんなに罪人が労働させられていたとは全然知らなかった。
1970年代後半から1980年までの取材なので今となっては結構古い記述もあるけど、なかなか面白い本でした。(☆☆☆☆)

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金素雲: ネギをうえた人―朝鮮民話選 (岩波少年文庫)

民話や神話が好きで結構よく読むのだが、これはなんとも毛色の変わった感じだった。
韓国の民話集って初めて読んだけど、ずいぶんと不思議な感じだねぇ。動物が主人公のものが多く、またトラに襲われる話が結構たくさんある。昔は朝鮮半島にも野生のトラがいて、結構人家を襲っていたのだろうか?

そして表題の「ネギをうえた人」。これ、あまりにぶっ飛びすぎている。

人間が、まだ、ネギをたべなかったころの話です。そのころは、よく人間が、人間をたべました。
Σ(゜д゜;)エーッ!
なんという恐ろしい民話よ……。

他のお話もなんだか読みにくく、途中で読むのやめちゃいました。ちょっといまいちだったな……。(☆☆)

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エドモンド・ハミルトン : フェッセンデンの宇宙 (奇想コレクション)

SF短編集。最新のものでも1962年の作品なので、古典と言える。
表題作「フェッセンデンの宇宙」はじめ、名作揃いで面白い一冊だった。この奇想コレクションはなかなか良いね。

以下、一口感想。

*フェッセンデンの宇宙
タイトルにもなっている、人工宇宙つくっちゃいました話。クラシック。

*風の子供
トルキスタンの台地で出会った少女と、「風のおかあさん」との物語。
秘境モノだけど冒険談ではなく、全般を流れるどこか淡々とした雰囲気が良い。

*向こうはどんなところだい?
うわあ……これはすごくグサグサと来た。火星探索から帰ってきた作業員のお話。
火星探索と言ってもそんなロマンあるもんじゃない、現場は悲惨なもんさ……というこの感じ、実際に宇宙開拓が進んでいたら、こんなことがリアルに起きていただろうなあと暗澹たる気持ちになる。
若者だとあまりピンと来ないかもしれない。仕事や会社に疲れてしまったおっさんにオススメの一話。

*帰ってきた男
「よみがえり」を経験した男だが、再び棺の中へ……。
まったく救いようが無い話なのだが、どこかから感じるユーモラスな雰囲気が面白い。

*凶運の彗星
ひっそりと侵入してきたエイリアン、彼らのUFO、脳を機械へ移植……などオーソドックスな地球侵略モノと言って良い作品。
うーん、娯楽モノとしては良いかもしれんけど、奥深いものはあまり無かったね。

*追放者
SF作家が語り出す、「俺の想像の世界に入り込んだら……」。
ワンアイディアのショートショートだけど、なるほどぉとちょっと面白かった。

*翼を持つ男
タイトル通り、翼を持って産まれてきた男の物語。結婚のためには翼を切り落としてくれと言われ、彼は一度は翼を切り落とすが再び空へと帰って行く。
「ちょっとした異変」モノとして佳作、という感じかな。

*太陽の炎
水星探索から帰ってきた男が見たモノとは、宇宙意志だった……的な。
うーん、ありがちなお話大きくしすぎ系でちょっとイマイチかな。

*夢見る者の世界
お互いの夢を見続ける、冴えない会社員ヘンリーと砂漠の王子カール・カン。彼らはどちらが夢でどちらが現実なのか?
オチは結構見え見えだけど、なかなか面白かった。これもよくできた佳作という感じか。

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押切蓮介: ピコピコ少年

自らが「ゲーム少年」だった頃の思い出を、1話完結で語ってくださるマンガ。
同じくゲーム少年だった私としては、おとなりに住んでいたファミコン少女、ゲーセンで圧倒的な強さを誇る女の子、駄菓子屋のゲーム機、ゲーセンでの不良達との出会い……などなど、語られる一つ一つのお話しがとてもグサグサと胸に突き刺さる。大変心に残る一冊だった。

PCエンジンの回で溝の口駅周辺をウロウロしているあたり、おそらく私はこの作者さんとかなりニアミスしていると思う。というか年齢も一緒のようだし、おそらくゲーセンで出会ったことあるんじゃないかな(笑。ということでも親近感を覚えてしまった。

特に面白かったのは、ToHeartの回。いきなり出てきたあかりにはビックリ。
「……ってことで山田……お前に教えてもらったToHeart、素晴らしすぎヤバイぜ。見事に私生活に影響が出たくらいだ」
「二次元だと雷におびえる子は可愛いのに……どうして三次元だとこうも……」
など名セリフ連発。家庭用、アーケード、PC、携帯機、まんべんなくゲーム狂なのは素晴らしい。

あと、この作者さんの描く幸(さち)薄そうな女の子達もたまらなく可愛い。冒頭の貴音ちゃんなどとても良いね。
いやはや、素晴らしいマンガを久々に読んでしまったわー。面白かったー。(☆☆☆☆☆)

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佐藤健太郎: 有機化学美術館へようこそ ~分子の世界の造形とドラマ

これは面白かったー。
有機化学の様々なトピックスについて、美しい図とともに語ってくださる本。

内容は最近の研究の最先端を追いながら、初学者でも分かりやすい説明が心がけられており読みやすい。ベンゼン環だけで嫌になってしまうような化学オンチな方も、化学に興味のある高校生なども、みんなおすすめ。(☆☆☆☆)

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