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ブライアン・ヘイズ: ベッドルームで群論を――数学的思考の愉しみ方

タイトルから「オトナの数学話」的なものを期待するかもしれないが、それは全く違う。
これは、ベッドのマットレスをどうやってひっくり返すのが効率的か、というクライン群の問題なのだ。

本書は、身の回りの事例を挙げて数学史的な観点からその課題へとじっくり迫る。と書くとよくあるサイエンス読み物という感じなのだが、この本はそこらの科学エッセイとは一線を画す面白さだった。
今まで、戦争のマグニチュードとか、その発生はランダム分布しているのか? なんて考えたことも無かった。テーマの取り上げ方が実に上手いし、語り口も平易でしかし奥が深い。

特に気に入ったのは、一般化しすぎる数学者の「まん丸な牛があるとしよう」のセリフ。これには大笑い。
「遺伝暗号をひねり出す」の章では、過去の科学者がDNAの暗号をどう解こうとしたのかが紹介されていて興味深かった。まさか、コドンが指示するタンパク質にはあんなにムダがあるとは思いもしなかったのかぁ。
「第三の基数」も面白かった。確かに2進数よりも3進数の方が効率が良い。もし今のコンピュータが3進数で作られていたら、どんな世界になっていたんだろうなぁ。

いやー、大変面白い本でしたわー。文句なしにおすすめの一冊。(☆☆☆☆☆)

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