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山内直実, 氷室冴子(原作) : ざ・ちぇんじ! (白泉社文庫)

以前に読んだ「とりかへばや物語」が大変に面白かったので、そのマンガ版の作品も読んでみた。
著者のこのコンビは、「なんて素敵にジャパネスク」と同じ方ですね。

マンガでは原作から結構なアレンジが加えられており、特に後半は基本的な流れを抑えつつも全く違うストーリーとなっている。
しかしその流れが、これはこれで説得力のある「もう一つのとりかへばや物語」という感じで素直に面白かった。最後の女君と男君の入れ替わりで髪の長さの問題が、原作でも結構難関だったのだが、そこをちょっとした工夫で乗り越えているのが楽しい。

ただ、私が原作で心に残ったシーンがいくつかカットされてしまっていたのが残念だった。
ひとつは、四の君が妊娠したと知った女君が、もちろん自分が妊娠させることはできないので仕方ないことよ……と一種あきらめの感情を持つとともに、しかし自分が女の身でありながらも夫の立場として相手の男(宰相の中将だけど)に嫉妬心を持つ、というシーン。マンガではこの辺はかなりコミカルに描かれていた。
また、男君が入れ替わりのために髪を落として男姿になった途端、今までのなよなよとした姿からなんと素晴らしきお姿よ……となるのだが、マンガ版では最初から女の子の格好はイヤだー、という設定なのでこの辺がサラっと描かれるのにとどまっている。
そして一番大事な、女君が宰相の中将に自分が男装の女だとバレて、ヤっちゃって、子どもできちゃうという一連の流れがカットされちゃったのは残念。なので、最後に自分の子どもと顔を合わせつつも表だって言うことができない……という悲しげな余韻が無くなっている。

まぁ、でもコミカル仕立てなマンガ版も、もちろん面白かった。
原作では女の身として自由に行動できない辛さ・悔しさというのも結構描かれていたけど、その辺をそっくり省いたことで一つの作品として良い出来でした。おすすめ。(☆☆☆☆☆)

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