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2011年12月

万城目学: 鹿男あをによし (幻冬舎文庫)

2011年、最後の読書。ストーリーは、現代版『坊ちゃん』。
不本意ながら女子高教師となった「おれ」が、一癖も二癖もある職場仲間に囲まれながら、剣道部顧問と鹿の"運び手"という二足のわらじを履くお話。神社と歴史のお話とかが結構出てくる青春小説(やや伝記物)って感じかな。
マドンナや赤シャツなどを思わせる人々も出てきて、随所に漱石パロディがある。英語教師がくれた「ストレイ・シープ」は三四郎ですね。

奈良・京都が舞台で、JR奈良線あたりの描写などで関西に住んだことあればニヤリとできる描写が多々。
内容も単純なお使いシナリオながらなかなか面白く、スッキリした読後感。良い作品でした、マル。(☆☆☆☆)

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伊坂幸太郎: アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

長い間読みさしのまま放っておいたのだけど、ようやく読了。大学1年生となって初めて一人暮らしをはじめた「僕」と、その隣人で書店を襲って広辞苑を奪おうという河崎。一方、ペットショップ店員琴美とブータン人ドルジ達を巡る物語。
最初のとっかかりが難しかったのだが、いったん物語に入ると大変面白く、あっという間に読み終えてしまった。これは良作だ。

2つの並行ストーリー、しかしその2つには何やら違和感がある。この「引っかかり」の作りと中盤から一気に増す緊迫感、これが実に素晴らしい。こんなドキドキ感を味わったのは久々だ。
やはりこの作者はスゴいなぁ。分類は一応ミステリってことになるのかな。面白い一冊でした(☆☆☆☆☆)

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士郎正宗: 攻殻機動隊 (2) KCデラックス

作者自身も描いているけど、これは攻殻機動隊の2巻というよりは、同じ世界を舞台にした別シナリオという感じ。
なので、前作の続きをそのまま期待しているとハズレかも。

内容はサイバーパンクな世界で荒巻素子が「ネット」で大暴れ……するだけと言えばそう。しかし電脳戦の描き方がさらにブラッシュアップされ、「分かってる」感が素晴らしいわー。
情報量が多すぎて、1冊読むのにとっても時間がかかる。絵はずいぶんとCGっぽくなってしまって、拒否感でるひともいるかも。私は楽しめました。

あと今回は電脳戦がほぼメインで、物理戦はかなりオマケ感が強い。つまらない人にはとってもつまらないマンガかもしれん……。(☆☆☆☆)

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士郎正宗: 攻殻機動隊 (1) KCデラックス

今までSFとかニューロマンサーとか語っていながら、実は昨日にようやっと初めて読んだ。いやはや恥ずかしい。

中身は今さら私が語るまでもないが、「ネット」が世界を覆った近未来、日本の公安部隊を描くサイバーパンク。電脳世界にダイブするとか、その辺はニューロマンサーっぽい。物理戦と電脳戦それぞれの描き方が一級品で、全体の雰囲気も小気味良い。
作風が、ちょっとおおのやすゆき氏の持つあの雰囲気と結構似ている気がするなぁ。この時代のB級マンガ特有の、こんな感じが私は好きだ。

素子(少佐)はアニメ版とは結構性格違うのね。特に序盤はまだまだ「若く」、女性というより少女。しかし少女ならば、もう少し少女特有の心の葛藤みたいのも欲しかったかな。まぁ余計か。
いやしかし面白い作品でしたよ。オススメ。(☆☆☆☆☆)

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西炯子: 生きても生きても (フラワーコミックス)

これは懐かしいね〜。
私が西炯子さんを知ったのは、はるか昔、1997年頃に雑誌「スニーカー」に連載されていた「話してもわからん!!」のエッセイ。軽やかな毒舌っぷりをまた読みたいなとずっと思っていたのだが、実に14年ぶりの再会。
ジュディ・オング資料館の話とか、オカダヤとかあったな。

本の中身は、色々な雑誌に書いていたエッセイのゴッタ煮という感じ。ちょっとまぜこぜ過ぎな感じもあるけど、なかなか面白かった。「14歳で死ぬ」は美しいね。(☆☆☆☆)

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村上春樹: 1Q84 BOOK 3

ようやっと読了。
うーん、この巻は正直、イマイチ……1Q84は1巻後半から2巻までが一番面白くて、序盤と後半はつまらないね。

しょっぱなから「青豆は死んでいませんでした!」というご都合的展開なのもどうかと思うし、最後まで動きの無い退屈なストーリー。文章もわざとらしさの方が出過ぎていて物語に没頭できず。
たぶんこれで完結なんだろうけど、ちょっとがっかりですね。やはり「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」は越えられなかったんだなぁ、という残念な思い。(☆☆☆)

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あずまきよひこ: よつばと! 11 (電撃コミックス)

新刊が出たので買ってきた。今回はカメラ、栗ひろい、壊れたジュラルミン、ピザ、やんだのシャボン玉など。どれも面白かったー。
カメラの回で、VistaQuestのVQ1015が出てきたのにはビックリした。先日買って遊んだばかりだよ!
Vista Quest VQ1015 ENTRY
さらに、側溝のフタが顔に見える……ってのも実は先日思って撮っていたので(顔に見える)、作者さまとのすれ違いにちょっと苦笑してしまった。結構、私と似た性格かもしれない……とか思ってみたり。(☆☆☆☆)

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川喜田愛郎: 生物と無生物の間―ウイルスの話

もはや古典となった名著。
DNAと遺伝子の研究がようやく始まったばかりの頃のお話だが、中身は古臭くなくとても面白かった。前半はウイルスと細菌の違いについて、ヒトへの病気や研究手法から解説し、後半ではウイルスの仕組みとタイトル通り「ウイルスは生物か無生物か?」という問いに切り込んでいく。
面白い一冊でした。マル。(☆☆☆☆)

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