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2011年1月

ケン・リブレクト: 雪の結晶 小さな神秘の世界

これは今まで見た中で、最も美しい雪の結晶が満載の本だった。こんなに綺麗な写真をよく撮れるなぁ……。
しかも、単に美しい雪の結晶を載せるだけの写真集ではなく、物理学教授の著者が結晶成長についての基本的な知識やその物理的メカニズムについても実に懇切丁寧に語ってくださる。
なぜ六角形の結晶になるのか、枝を伸ばすのか、中空ができるのか、全てが丁寧でしかも小難しくない分かりやすい解説。

いやー、これは素晴らしい本だ。美しい写真を見たいだけの人も、結晶成長についての科学啓蒙本を読みたい人も、みんなオススメ。(☆☆☆☆☆)

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舞城王太郎: SPEEDBOY! (講談社BOX)

久々に舞城を読んだ。音速を超えて走り続ける成雄を巡る物語。
ランナー達が人を飲み込む謎の白い玉を巡って戦い(?)を繰り広げる。

7つの短編が微妙に繋がりつつ繋がっていない、連作集という感じ。色々な不思議感が最後にキレイにまとめられるのかと思いきや、全力ですべて放置してラストを迎える辺りが微妙だなぁ。随所に面白い箇所はあったものの、セカイ系自己内面描写に終始するという行き詰まったアニメ最終話を見ているようでちょっといまいちだったかな。(☆☆☆)

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タニス・リー: 悪魔の薔薇 (奇想コレクション)

タニス・リーと言えば「バイティング・ザ・サン」が面白かったけど、これはホラー色が強い作品を集めた短編集。ごった煮の玉石混合という感があり、ハードホラーっぽい雰囲気の作品もあればアラビアン・ナイト的なおとぎ話も。
巻末には原書での著作リストとその邦訳一覧があり、持っていると便利。

基本的に収録は、前半にハードな作品が多くて、後半はおとぎ話っぽい。最初の方は読みにくくて途中で放り出しそうになったけど、真ん中くらいから面白くなってきた。これ、掲載順序を完全に逆にした方がいいんじゃないかな。

以下、収録作品と一口感想。なお激しくネタバレしますので、未読の方は注意。

*別離
吸血鬼のお嬢様と老執事。ゴシックな感じがマル。しかし黒さとかホラーさが足りないのでやや不満。

*悪魔の薔薇
19世紀頃のヨーロッパか。性病(梅毒)にかかっている男が、伝染すること承知で村娘とヤってしまうという後味悪すぎな作品。いやはや暗い。

*彼女は三(死の女神)
パリの夜、芸術家達を群像劇風に描く。しかし読みにくいのでギブアップしそうに。ベルトランの「夜のガスパール」に雰囲気近い。

*美女は野獣
堕落した街の暴君を、一人で出向いて討ち取る女。しかし本当にそれは暴君だったのだろうか?
うーん、雰囲気良いけどやはり読みにくい。

*魔女のふたりの恋人
好きな人の名前が言い出せなくって、その友人の方を好きな人と言っちゃうアタシ、みたいなお話。「花とゆめ」に掲載してもOK。

*黄金変成
今までヨーロッパが舞台の作品だったのに、急に東洋色が強くなった。黄金を作り出す東洋の魔女が王に取り入り、子を産み、殺めようとする。なんかよく分からなかったけど面白かった。

*愚者、悪者、そして賢者
これは面白い、イスラームな雰囲気のおとぎ話。もうそのまま「千夜一夜物語」の1作としても問題ない。
3人兄弟で一番間抜けと思われていた末弟が、うまく魔術師の魔法の指輪を奪い取ってウッハウハ。あの指輪の元ネタはソロモンの指輪かしら?

*蜃気楼と女呪者
街に住み着いた魔女が、次々と男の魂を抜いていく。しかし旅のイケメン魔術師(?)には効かず、「本当はアタシ、寂しいだけだったの」みたいな少女マンガ的展開。あんまりピンと来なかった。

*青い壺の幽霊
大魔術師がワガママ女の気を引こうと、7000人の魂が封じられた壺を手に入れる。しかし壺の中の人々は口を揃えて「この壺の中は素晴らしい」と言い、結局魔術師自身もその中へ。
なかなか面白かった。これもアラビアン・ナイトっぽいな。

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福本伸行: 賭博破戒録カイジ

前作「賭博黙示録カイジ」の続き。いきなりタコ部屋にブチこまれての描写が実に秀逸。「さすがのカイジも2日連続豪遊は猛省……!」には大笑い。
他にもホカホカ焼き鳥、班長の物言い、そして山場のチンチロリン合戦。素晴らしい。

が、後半はちょっとつまんなかったなぁ。なんぼなんでも、パチンコ「沼」だけであんなに長く引っ張りすぎだろう。
しかしそれでも、そこらのくだらんギャンブル漫画とは全く格の違う面白さだったのは確かだ。(☆☆☆☆)

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塩見鮮一郎: 貧民の帝都 (文春新書)

日本における江戸末期から明治・大正・昭和初期にかけての貧民街の歴史と、貧民政策を書いた本。

自分の手を動かして、歩いて、見て回って調べたのだなぁということが感じられる力作だが、いささか主観的すぎる点が多いのも気になる。
しかし明治大正期の孤児院など、今まで他書では読んだことなかったような当時の様子を知るのには大変役に立った。この辺の歴史について知識をつけたい人にははっきりオススメ。(☆☆☆)

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清水哲朗: 風景を撮る! 「写真の学校」

タイトル通り、風景写真の入門書。様々なケースについての基本的な知識がすっきりまとめられている。
載せられている作例も素敵なものが多く、なかなか良かった。(☆☆☆☆)

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高橋弥七郎: 灼眼のシャナ (電撃文庫)

帰省中の電車で読了。うーん、つまんなかったなぁ。

無口なツンデレ少女とかベタベタなのは別に良いのだが、設定やネーミングがどうもムズ痒くて読んでいられなかった。学校生活や教師が生活の全てになってしまっているのも、いいおっさんには読んでいてつらい。ところどころの描写は光るものがあってなかなか良かったので残念。
しかしこれ、続きが既に20巻も出ているらしい (@@;、ちょっとビックリだ。(☆☆)

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竹内薫: 99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)

「こ、これは、ひどい……」という感想。読んで損した。
まだ前半部分は「科学とは?」「仮説とは?」をそれなりに語ってくださるので良いのだが、中盤くらいからどんどん怪しくなっていく。相対性理論と役割理論は一緒とかいきなり言い放ったり、進化論のところではID説を取り上げて結論が「全部教えればいい」とか……。だったら空飛ぶスパゲッティモンスター教も教えないといかんやないかい。
冥王星と惑星についても、それは単なる分類の問題であって、それまで述べていた科学とか仮説とは全く関係ないでしょ。なんかズレてるんだよなぁ。

変なたとえ話をするからいっぺんに胡散臭くなるんだな、という好例。読む価値なし。(☆)

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内田春菊: ほんとに建つのかな (講談社文庫)

新築一戸建てのエッセイ漫画……と思いきや、むしろ子育て問題と、嫁舅・嫁姑問題の方が比重が大きい。
周りの人間への評価が辛口というか、そこまで怒らんでも……とちょっと引いてしまうレベルだなぁ。もしこんな人が身近にいたら大変だぁ。
この著者の他の作品がいっぺんに読みたく無くなってしまった。話自体は面白いんだけども。(☆☆☆)

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椎名誠: 北への旅

北東北エリアマガジン「ラ・クラ」への連載をまとめたもの。写真+文章の旅日記。
東北をずんずんと歩いていく氏の雰囲気と写真が静かに楽しめる。なかなか面白かった。(☆☆☆☆)

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長尾三郎: 氷海からの生還

オホーツク海で沈没した「第71日東丸」から、救命ボートで3人が生還した海難事故を熱かったノンフィクション。
この事故自体を全く知らなかったので、非常に興味深かった。しかし転覆の原因を載貨門の閉め忘れではなく、「赤いクジラ」ことソ連の原子力潜水艦が網にかかったから……という陰謀論を述べるのだが、これはちょっとどうなんだろう。(☆☆☆)

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[映画] 20世紀少年 第1章 終わりの始まり

以前のテレビ放送を録画しておいたのを見た。
マンガ版は未読なのだが、映画版だけでもなかなか楽しめる。青年版セカイ系やね。

しかし全3部作は長いなぁ。マンガ版を読もうと思うので続編はもういいや。(☆☆☆)

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アーリストインターナショナル: THE DOGS

犬写真がやりたくて、参考になるかと借りてきた。30種の犬の紹介。
どれも広角レンズのアップで犬を撮ったいわゆるデカ鼻写真で、フツーに犬の写真を撮りたい人にはちと向かない。でもどの犬もとてもチャーミングで、犬好きな人にはたまらないだろう。(☆☆☆)

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犬川柳 柴犬魂!

犬を題材とした川柳集。"「カワイイ」が ワタシの名前 ではないの?" が良い。
写真がどれも良く、犬写真やりたい人は参考になる感じ。(☆☆☆)

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[映画] 劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!

昔に録画しておいたのを見た。テレビ版を正しく映画版に膨らませたという感じ。
演技があんまりにあんまりなほど棒読みとか、色々突っ込み所は多いが、まぁ普通に面白かった。(☆☆☆)

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