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津江保彦「物理でほっと―コーヒータイムの5つの物理」

図書館で目に付いたので借りてみた。著者は原子核理論系の先生らしいけど、この本は一般の人向けに書かれているので高校数学くらいの知識があれば十分理解できる。

本は薄いけど、内容はなかなか面白い話がみっちりしていて読み応えがあった。白色矮星の質量を求める辺りで、「そうか、理論系の人たちはこういう考えをするのかぁ〜」とちょっと目ウロコだった(私は昔は実験系の院生だったので)。
磁気単極子が存在すると仮定すれば、角運動量の量子化の要請から、素電荷の存在が理論的に証明される……というくだりも「ほぉぉ〜〜」とうなってしまった。ディラックはそんなこと言ってたのかぁ、全然知らなかった。この議論、物理系の学部生でもやろうと思えば十分考えつくよねぇ。これが天才の考えなんだなぁ。「div B = 0 だからモノポール無いじゃん」で終わらせていた私とは大違いだ。

まぁそんなわけで、ちょっと物理に興味ある人から、昔物理をやっていた人まで幅広くオススメです。薄い本なのですぐ読めるしね(☆☆☆☆☆)

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