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2009年10月

日本探偵小説全集〈11〉名作集 1 (創元推理文庫)

文庫ながら796ページとボリュームたっぷり。ちなみにそのうち約300ページは「小笛事件」が占めている。
この小笛事件、小説ではなく実際に起きた事件を追ったノンフィクションなのだが、大変に興味深い作品であった。これだけで一冊の文庫本として売ればいいのに。

他、気になった作品をいくつか挙げると:

*佐藤春夫「オカアサン」
ああ、「動物のお医者さん」のあの回は、この話を元にしたものだったんだ……と今さら知った。不勉強じゃのぅ。

*渡辺温「父を失う話」
シュルレアリスムを感じさせる実に不思議なお話。これは探偵小説ではないだろう……しかし面白かった。

*水谷準「空で唄う男の話」
綱渡り男。この作者は「お・それ・みお」と共に変わった雰囲気のお話をしてくれるのぅ。


しかし読むのにかなり時間がかかったが、いやはや大作文庫であった……(☆☆☆☆)。

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恩田陸: 不安な童話

25年前に殺された女流画家の遺作展から始まるミステリ。
佳作という感じで、あまり「面白い!」とうなされるような点は無かったかな。つまらなくはないけど(☆☆☆)

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つげ義春: つげ義春コレクション9 鬼面石/一刀両断 (ちくま文庫)

図書館で借りてきた。つげ義春の時代物選集。
・盲刃
・鬼面石
・落武者
・忍びの城
・一刀両断
が収録されている。

「鬼面石」は十万という醜い顔を持つ男の一生の話だが、いやはや恐ろしくそして悲しい。
「忍びの城」は影武者となった下級武士。
「一刀両断」、これが面白い。据物斬という単語を初めて知った。ドラゴンバスターに出てきた兜割りというのも、ここからだったんだな……いやはや不勉強。(☆☆☆)

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喜多ふあり: けちゃっぷ

以前に読んだダ・ヴィンチ(何月号かは失念)で紹介されていたので読んでみた。
が、最初の10ページほどでgive up。読みにくいしつまらないよ、うん。ブログ題材なのだし、横書き本の方が良かったんじゃないかな。(☆)

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荻原浩: あの日にドライブ (光文社文庫)

大手銀行を辞めた43歳の主人公が、タクシー運転手としてくすぶりながら過去の思い出を追って行く「おじさん青春小説」。

いやー、やっぱり荻原浩は面白いっぺよー(何弁)。この人は本当にスゴい、とにかく文章上手いなぁと感心することしきり。止まらずにあっという間に読んでしまった、日々の仕事に疲れちゃった人に超絶にオススメ。
逆に言うとこの本を楽しめなかった人は、今の生活に満足しているということだろう。自らの幸福を噛みしめましょう(☆☆☆☆☆)

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鶴田謙二, 梶尾 真治: おもいでエマノン

30億年の記憶を持つ、エマノンという少女の物語。
静かで壮大だけど身近なストーリー、という感じでほんわかと面白かったです。

ちなみに、「さんふらわあ」は松山→大阪で乗ったことがあります。フェリーは安いし楽チンだし寝てる間に移動できるしいいよね。(☆☆☆☆)

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源氏鶏太: 隅にもおける奴 (集英社文庫)

サラリーマン小説では有名と聞いて、源氏鶏太の本をはじめて読んでみた。
1984年出版なのだが、「失敬。」とかいくらなんでも言い回しが古いなぁ。内容はまさにサラリーマン小説。ってか、根回しやら派閥争いやらでまともな仕事は何一つしてないのが面白い。

しかし日本の会社というのが大嫌いな私にとっては、昔から今まで、会社のダメなところってのは全く変わってないんだなぁとぐったりしてしまった。(☆☆☆)

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椎名誠: むはのむは固め

むはシリーズ。昔に読んだような気もするし、読んでないような気もする……。
映画「白い馬」を作っていた頃なので、その巡業(?)の話が多い。

しっかし、椎名さんの生き方には本当に憧れてしまう。20代の若い頃はあっちこっち行けていいなぁという憧れだったけど、今はやっぱりサラリーマンを思い切って辞めて専業作家になった、って辺りに惹かれるなぁ。(☆☆☆☆)

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椎名誠: にっぽん・海風魚旅 怪し火さすらい編

週刊現代連載の「海を見にいく」をまとめたフォトエッセイ本。と言っても写真は少なく、旅行記という感じ。
もっとたくさん写真が見たいなぁとは思ったけど、なかなか面白い本だった。続きが読みたい。(☆☆☆☆)

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[映画] サマーウォーズ

面白いと評判だったので、吉祥寺の「吉祥寺バウスシアター」で見てきました。
これは傑作、大傑作!! 主人公達のセリフのあまりの棒読みっぷりと、永井一郎のあまりの上手さのギャップに違和感ありまくりだったものの、しかし内容は素晴らしいものでした。

また、色々な描写がきちんと描かれていて好感。製品などもちゃんと実名で出てましたね。あのスパコンは、間違いなくNECのSX-9。
冒頭でShorのアルゴリズムの本を読んでいる主人公が暗号を素因数分解する……など、色々と「ニヤリ」とできる要素も満載(しかしShorのアルゴリズムは人力ではなく量子コンピュータ用のアルゴリズムでは……)。
ただ、LOVE MACHINEが何故そんな名前なのか? はよく分からず。格好が不動明王(?)だったのは、婆ちゃんの部屋にあった仏像がまんまあの形でした(一瞬だけ映った)。たぶん真言宗だと思うんだな、五鈷杵っぽいのを持ってたし。

しかしまぁ、ああも家族がエリートばかりだと「これは特別な人達の特別な物語」であって、フツーな私は感情移入できないよなぁ。と、見た後に少しガッカリしてしまうのも事実か。ひなくれた大人になってしまったもんだ。未来ある子どもと若者に見て欲しい。(☆☆☆☆☆)

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ジョージ朝倉: バラが咲いた―ジョージ朝倉初期傑作選

BOOK OFFで100円だったので捕獲。短編集だが、ハズレは無くどれもなかなか面白かった。

表題作の「バラが咲いた」は、いかにも少女漫画的モチーフ(頭の中にある種・バラのベッドで眠る)を上手く昇華させていてマル。
留学生の不思議少年を描いた「青色的少年」も楽しい。こういう変な奴に弱いな、私は。(☆☆☆☆)

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椎名誠: らくだの話/そのほか

本の雑誌の後記をまとめたもの。
何点かは読んだことある気がしたのでこの本は既読かと思ったが、たぶん当時にリアルタイムに雑誌で読んでたぶんだな。
やはりこの本の雑誌掲載ぶんが、赤マントシリーズなんかより面白いと思う。(☆☆☆☆)

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椎名誠: 本日7時居酒屋集合! ナマコのからえばり 2

サンデー毎日に連載のエッセイ。あんまり赤マントと変わらないような……。
「作家について思うこと」で他の作家について語っていたのは、椎名誠のエッセイの中でもかなり珍しい方だと思う。志賀直哉が好きとは知らなかった。(☆☆☆)

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板倉 聖宣, 宮地 祐司, 塚本 浩司: たのしい知の技術

板倉先生の本が読みたくて、図書館で借りてきた。
文献の探し方や研究手法について語ってくださるわけだが、もちろん堅苦しくない本で、分かりやすく面白い一冊。語源を探すにはこの本、とか色々知らないことが多くてためになった。(☆☆☆☆)

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椎名誠: 続 怪しい雑魚釣り隊―サバダバサバダバ篇

怪しい雑魚釣り隊シリーズ、その2。前作はわしらは怪しい雑魚釣り隊
前作は色々なわざとらしさや、あまりの誤植の多さにちょっと白けたが、今作はまぁまぁ面白かった。しかし、あの名作「怪しい探検隊」の後継というにはちょっと物足りないな。(☆☆☆)

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椎名誠: ナマコのからえばり

サンデー毎日連載のエッセイ。
赤マントとはちょっと違う方向にしようとしつつ、四苦八苦している感が。なんだか安心して読めない感が気になる(☆☆☆)

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野田知佑: さらば、ガク

品川図書館で読んだ。
ちょうど知り合いの犬が亡くなったところだったので、色々と思うところあり、ストレートに心に響く一冊となった。椎名誠のエッセイによく出てくるけど、この野田さんという方は、本当に素晴らしくそしてスゴい人だ。こういう生き方もあるんだなぁ。
今のこの陰湿な日本に住んでいると、なおさらこの生き方と考え方には憧れてしまう(☆☆☆☆☆)

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つげ義春: つげ義春コレクション 腹話術師/ねずみ (ちくま文庫)

貸本時代の、つげ義春初期作品集。
さすがにこれは稚拙ではないかと思う作品も多いが、しかしその端々に、後年のあの不気味さを垣間見ることができる。

「右舷の窓」のブザーが鳴った効果音「ブザー ブザー」には、失礼ながら爆笑。(☆☆)

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