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吉上昭三: ポーランドの民話

興味があったので、世田谷中央図書館で借りてみた。

ポーランドの民話は、一風変わったお話が多い。またどこかもの悲しく、後味が悪いものも結構多いようだ。
キリスト教が、元からあった土着信仰を上書きしていった様子がかいま見えるお話もちらほら。

とりあえず、いくつかメモ。

*マデイの寝台
長い旅を終えて帰宅中、夜の森で底なし沼にはまった商人が、悪魔に助けられる。悪魔は「おまえの家にあり、そのことをおまえが知らないもの」を商人に要求する。
商人が帰宅してみると、愛する妻に子どもが産まれていた。商人はそれを見て、悪魔が何を欲していたかを一瞬にして悟る。子どもは成長して神学校に進み、助祭から司祭になろうというところで父親は子どもに秘密を打ち明ける。

子ども(神学生)は悪魔との契約書を奪還するためにその森に行き、一人の盗賊に出会う。「地獄で見聞きしたことを話す」という条件で盗賊の手を逃れて地獄に降りた神学生は、聖水などを駆使して魔王を苦しめる。
魔王は、商人が契約した悪魔(アスモデウス)に命じて契約書を出させようとするが、アスモデウスは拒否。怒った魔王は「アスモデウスをマデイの寝台に連れて行け!」と言い、その言葉を聞いたアスモデウスは慌てて契約書を返す。

さて、戻ってからその話を聞いた盗賊はガタガタと震え出す。彼こそがそのマデイだったのだ。
地獄にそのような恐ろしい責め具が用意されていると知ったマデイは、神学生の元で悔い改め、また神学生も立派な司教となった。


*しだの花
一年に一度しか咲かないしだの花を摘み取ると、大きな幸せが訪れるという伝説がある。
少年ヤツシは何度もの失敗の上、しだの花を手に入れるが、その条件は「誰とも幸せを分かち合ってはいけない」というものだった。
ヤツシはお城で豪華な生活を送るが、実の母やきょうだい達は苦しい生活を送っている。しかし条件を思い出し、援助することができない。
とうとう何年か経ち、家族は皆、貧困の中で死に絶えてしまった。絶望して「俺も死ぬ!」と言ったヤツシは大地に飲み込まれ、しだの花ももう見つからない。


*悪い継母
意地悪な継母(ままはは)が、元からいた娘を追い出す。
娘はまず井戸に出会い、きれいにしてくれという頼みを受けて井戸の泥をさらう。次にリンゴの木に出会い、頼みを聞いて手入れをしてから水をやる。今度は野原に置いてあるかまどに出会い、掃除してくれと頼まれ灰を払う。
彼らは、「いつか戻ってきたら、わたしのところにお寄り」と声を掛ける。

最後に娘は老人に出会い、その家で七年間働く。
七年後、娘がそろそろ帰りたいと言うと、老人は大金を払い、さらに屋根裏に上がって好きな品を持って行けという。屋根裏には色々な立派な箱があったが、娘は一番粗末な箱を選ぶ。

帰り道、かまど中には輪形パンがいっぱい入っている。「ほしいだけおとり」と言われ、パンをもらう。
さらにリンゴの木からは黄金のリンゴをもらい、井戸からは冷たい水と黄金の珠をもらう。
家に帰り着き、喜ぶ年老いた父の前で箱を開けると、中には綺麗な衣装が山ほど入っていた。

さて継母は悔しくてたまらずに自分の娘も同様に送り出すが、彼女は道中の頼みを全て断り、老人の家でも真面目に働かない。
七年後、彼女は屋根裏の一番立派な箱を持って帰る。かまどはパンをくれず、リンゴの木もリンゴをくれず、井戸も水をわけてくれない。
帰宅して箱を開けてみると、中からはは虫類やみみずが山ほど出てきて、欲張りな娘と意地悪な継母を食べてしまいました。


*怠け者の娘
カーシャという愛くるしい娘がいたが、えらく怠け者であった。
娘は暖炉の上にじっとしたまま、眠るか食べるかだけで何一つ働こうとしない。顔も洗わず、髪もとかずにもじゃもじゃ頭。「怠け者のクドワ」と呼ばれていた。
その後、クドワは森番と結婚するが、全く働こうとしない。「娘をぶつことだけはしてくれるな」と言われていた森番は一計を案じ、ある日のこと出かける前に、狩りに使う小袋を吊して家事を済ませておくようにと言って出かける。
さて帰ってみると、やはり家の中のことは何ひとつできていない。森番はクドワに小袋を背負わせ、「これから小袋の裁判を開く」と言ってから小袋をさんざん樫の木の棒でぶち続けた。
さて翌日以降、森番は小袋に「家事を済ませておけよ」と言って出かけるようになり、クドワも家事をするようになった。

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