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2008年4月

池田良穂: 図解・船の科学―超高速船・超巨大船のメカニズム

最近、船に興味を持っているので読んでみた。

基本的な船の工学から、最近の高速船の仕組みなど幅広い。
また内容はなかなか専門的だが、それを丁寧に解説してくれるので非常に分かりやすい。なかなか良い本であった(★★★★)

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安部公房: けものたちは故郷をめざす

安部公房の本はほとんど全部読んだけど、初期のいくつかの作品はまだ未読のまま残している。
ということで、図書館で借りてきた。

内容は、満州の地から故郷日本を目指す少年(青年?)の物語。「燃えつきた地図」に似た雰囲気があり、結構読むのに骨が折れるかと思ったがなかなか面白くサクっと読了。
うーん、しかし「壁」のような、頭をぶっ叩かれたような衝撃は無かったな。(★★★)

けものたちは故郷をめざす (新潮文庫 あ 4-3)
安部 公房
新潮社
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ドゥガル・ロバートソン: 荒海からの生還

ガラパゴス沖でロバートソン一家が乗ったヨット「ルセット」が沈没し、三十八日後に日本のマグロ漁船「第1東華丸」に救出されるまでのドキュメント。原題は"SURVIVE THE SAVAGE SEA"。

表紙は救出された時の写真が使われており、実に衝撃的。Amazonだと表紙写真が出ないので、撮ったのを載せておく:
20080428survive

で、この本は非常に面白かった。救出されるということが分かっていたからというのもあるのだが、ある意味安心して読めて、しかしその一方でハラハラドキドキの連続。
三十八日間は正に「綱渡り」で、一つでも間違えば救出は無かっただろうと思うと、奇跡としか言いようがないと感じてしまう。

救出したのが日本船だというのも、なかなか感慨深い物がある。でもどうせなら訳書では、この日本船乗組員へのインタビューくらいはして欲しかったな。
あと、救出された後に船内で撮られた写真もあるんだけど、みんなステテコ姿なのが面白い(笑)。

とまれ、なかなか面白い本なので是非一読を。(★★★★)

荒海からの生還 (1973年)

朝日新聞社
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雁屋哲: 美味しんぼア・ラ・カルト 36 (36) (ビッグコミックススペシャル)

アイスクリーム作りたいと言っていたら、OK氏が貸してくれた。

海原雄山が栗田さんのために氷に手を突っ込んでアイスクリーム作るわけだが、私の予想では実はあの時、栗田さんはアイスクリームを食べたくなかった。
しかし、雄山が「私が作った物が食べられないと言うのかっ!!」と激怒することを恐れて、ムリして食べたわけだよ。

まったく、雄山は困った奴だな。馬鹿共に車を与えるな!(★★★)

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小川一水: 老ヴォールの惑星

どこかで面白いと聞いていたので、図書館で借りてきた。SF中編が4つ収録。

*ギャルナフカの迷宮
食料と水が限られた、閉じた世界での人々のお話。
ちょっとラストシーンがおざなり。でも中盤は面白かった。

*老ヴォールの惑星
おおー。わけ分からん世界のわけ分からん生物を、わけ分かるように見事に描いてみせてくれた。
ストーリー自体は、ある意味ありふれたコンタクト物だけど、この変ちくりん生物が素晴らしいのでマル。表紙絵は、この話の挿し絵。

*幸せになる箱庭
こ、これは……いくらなんでもネタとして古すぎないか? 最後まで何のひねりも無かった。古典的SFをネタにした古典的SF。

*漂った男
不時着した海ばかりの惑星で、救援を待ち続ける男の話。
精神状態の描写がGood。面白かった。

全体に、なかなか面白かったですな。もうちょっと、思い切ってユーモア交えた話を書くともっと面白いと思う。(★★★★)

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杉田聡: 道路行政失敗の本質―“官僚不作為”は何をもたらしたか

全部を官僚や政府のせいにするのは、ムリがありすぎだろー。国民および国土の全てに監視カメラを付ける、完全監視社会にしないとこの著者は満足できないのか?
ただまぁ、論自体は色々といい事も言ってるので、文章でひどく損をしてやるやね。最初の1ページでダメな人もいそう。私も途中でダメになったので最後まで読めなかった。

ちなみに私は実家が田舎なので分かるのだが、そもそも田舎の人は公共交通機関を使おうとしないのも大きな問題。歩いて5分のコンビニに必ずクルマで行くし、駅から徒歩1分の施設にもクルマで来る。で、鉄道やバスを整備しようとすると、「そんなムダな金を使うのはやめて、渋滞しているんだからもっと道路を」としか言わないわけだ。
国民に、クルマを使うのを止めて少しは歩く&公共交通を使うことを強制するくらいしないと、今の状態は解消せんよ(★★)

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片山一道: ポリネシア人―石器時代の遠洋航海者たち

ER先輩が絶賛していたので借りてみた。ポリネシア人について色々と語ってくださる。
倹約型遺伝子(西洋的食事になった途端に太りだした)や寒冷地適応型の話がなかなか面白かった。

航海術についても知りたかったのだけど、そこは全く触れられなかったな。あれだけの距離を航海するからには、どうやって方角を測っていたかを知りたかったのだけど。コンパスが無いなら、夜の星だけ?
あと、ヘイエルダールやその他の研究者をイヤミったらしく否定する文章にはちと辟易。(★★★)

ポリネシア人―石器時代の遠洋航海者たち
片山 一道
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リチャード・ニーリイ: 愛する者に死を

ハヤカワミステリの一冊。

結構面白いらしいのだが、ビジネスや弁護士を小道具(?)に使うこういう小説は、ダメリーマンの私にはムリだわ。
ということで、私には合わずに途中で放り出してしまった。最後まで読んでないけど、つまんなかったな。(★)

愛する者に死を〔ハヤカワ・ミステリ1805〕 (ハヤカワ・ミステリ 1805)
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レイモンド・カーヴァー: 頼むから静かにしてくれ〈1〉 (村上春樹翻訳ライブラリー)

こう言うとあれだが、ダメ男の人生を描いた短編集。

買ったばかりの靴を気にする"What's In Alaska?"、妻の職場に押しかける"They're Not Your Husband"、少年の釣り"Nobody Said Anything"、眠れぬ妻の"The Student's Wife"と実に名作揃い。大変面白かった。
ただ、若い人にはピンとこないと思うので、全くオススメできない。30歳近辺で、年齢に対して漠然とした焦りを感じ始めた男性に是非オススメです(★★★★)

頼むから静かにしてくれ〈1〉 (村上春樹翻訳ライブラリー)
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二ノ宮知子: のだめカンタービレ #20 (20) (講談社コミックスキス)

ダメだ、間が空いたのでもう登場人物が思い出せん。のだめと千秋と、オーボエ吹きしか分からんかった。

しかし、随分と「普通の」クラシック漫画という感じになってきた気がする。
ムッツリ王子。(★★★)

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北杜夫: マンボウ夢のまた夢

エッセイ集。過去にどこかで書いていたことのある話が多く、さらにはこの本の中でも同じ話が繰り返されたりする。
氏のファンでないとつまんないと思われ(★★★)

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高野潤: アマゾン源流生活

アマゾンでの生活を長年続けた著者による、現地での経験を語ったもの。
冒険記ではなくただの「生活記」なんだけど、なかなか面白かった。(★★★★)

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亀井高孝, 桂川甫周: 北槎聞略―大黒屋光太夫ロシア漂流記 (岩波文庫)

タイトルは「ほくさぶんりゃく」と読む。「おろしや国酔夢譚」として小説にもなっている、江戸時代の漂流記。
駿河沖で遭難した大黒屋光太夫たちが、アリューシャン列島の一つであるアムチトカに流れつき、そこからロシア中を駆けめぐって日本へと帰り着く大冒険記だ。

これは本当にスゴい。色々と漂流記はあるけど、スケールが大きすぎる。
また、単純に漂流記として読んでも面白いけど、当時のロシアの状況が辺境の地の風俗からペテルブルグの上流階級の生活にまで事細かに記録されており、歴史資料としても一級。

書物って本当にスゴいな。今から200年以上も前の人が体験したこと・考えたこと・思ったことが、現在の我々にも手に取るように感じることができる。久々に感動した本だった。

あんまり面白い場面が多々あったので、引用しておこう。

*鬼に殺されるかと思いきや、現地女性が見に来ただけの巻

(略)表の方より二、三十人が足音して入来たる者あり。そのさま甚(はなはだ)異形なり。頭はかむろにて、面に青き条あり、鼻の孔と下唇に角の生えたる者なれば、磯吉大きに肝を消し、三人の者は殺害せられ、今我々はこの羅刹の餌食にとらるる事と覚えたり。あはれ小刀一本あるならば、やみやみとは食はれまじ、一個(ひとり)なりとも刺殺して死(しな)んず物と、やたけには思へども、赤手(からて)なれば為方(せんかた)なく、心中に太神宮の神力を祈奉り、身を縮居(ちぢめい)たる内、追々に立帰りぬ。是は此島の女にて、漂流人を見に来りけるなり。二人は漸(ようよう)人心地になり、(略)


*漂流生活から解放された途端に、さっそく米を炊きはじめる日本人の巻

その内に日も暮に及び、空腹になりける故、石にて曲突(くど)をつき、釜を掛(かけ)、飯をたき、握飯にして喰らいしを、試(こころみ)にあたりに立たる嶋人にあたへけるに、一口食いて残りをばうち捨(すて)ける。魯西亜人ははなはだ賞美の躰にて食せしとぞ。


*ロシア人、湯上がりの浴衣を欲しがる

彼邦(かのくに)にては浴後直(ゆあみのちすぐ)に汗袗(じゅばん)を着居て身を乾し、其儘(そのまま)に衣服を着る也。光太夫持合せたる浴衣を着たるを見て甚(はなはだ)感心し、皆々俄に浴衣を製したるよし。魯西亜に浴衣ある事は光太夫より始りしなり。


*ほおずきを鳴らしてみせて、ロシアに流行らせる光太夫

酸醤(ほおずき) (略)子(み)は此方のものと同じ。よく熟したるをとりて菓子となし食ふ。光太夫此方の児女のもてあそびのごとく瓤(さなご)を出し、ふきならし見せければ甚めづらしがりて、夫(それ)より一般にはやりしとぞ。


この他にも、サウナを楽しんだり、教会のことを頑なに「寺」と呼んだり、牛乳を飲むことにショックを受けたり、本当に面白い本であった。
いやー、日本には素晴らしい書物がまだまだあるのぅ。是非とも読むべし。(★★★★★)

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長 弘毅: 語りつぐ人びと インドの民話 (福音館文庫)

インド留学経験のある著者が、現地で採集したインド民話集。
恐妻家の「悪魔とガミガミ女房」、高慢ちきの「バラモンと船頭」、見事なさばきの「猫の足」、よく働く「壺むすこ」が面白かった。

また、単なる話集ではなく、現地の人へのインタビューや各地方の案内など、インド入門としても面白い。
この本は児童書に分類されているのだけど、大人が読んでも十分に楽しめる本であった。おすすめ。(★★★★)

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宮本昌幸: 図解・鉄道の科学 (ブルーバックス)

元・鉄道技術研究所の著者が、鉄道の技術について色々と語ってくださる。
基本的に車両寄りの話なので、車両テツ以外にはあんまり楽しめないかも。(★★★)

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椎名誠: トンカチからの伝言

赤マントシリーズの第19弾。
特にコレハという物は無かったな。まぁフツー。(★★★)

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ガブリエル・ウォーカー: スノーボール・アース

全地球凍結論についての読み物。しかし、つまんなかったというだけの感想だ。

読みやすさを重視してか、理論の本筋よりもその提唱者の人物像や人間関係に重点が置かれていて、拍子抜け・期待外れの連続。
何しろ、図表が一切載っていないってどういうことよ? こういう本なのに、写真やグラフの一枚も載っていないなんて、もう読む価値ない。期待していただけに残念。(★)

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