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河邑厚徳+グループ現代: エンデの遺言 - 「根源からお金を問うこと」

会社の同期ryo氏が絶賛していたので読んでみた。エンデとは、「モモ」や「はてしない物語」で有名なミヒャエル・エンデ氏のこと。

最初に一言いうと、この本は表紙やサブタイトルでひどく損をしている。まるで怪しげなマルチ商法かクソみたいなビジネス本みたいに見えるが、中身はきちんとした内容なので安心していい。
ってか、この表紙デザインは明らかに失敗。これを作ったデザイナーは、ちゃんと中身読んで仕事したのかな。

内容は、貨幣は本来交換手段であるのに価値の保存機能が問題であるとか、負の利子とスタンプ代用貨幣の試みとか、ゲゼルの「老化するお金」の概念など。
現代の利子とは、流動性のプレミアムだけではなく、希少性の代価分がプラスされておりそこが問題だというのには今まで気が付かなかったな。そして負の利子を導入することにより貨幣の交換手段(決済手段)としての機能が十二分に発揮されるというのにも目ウロコ。

と、内容はある程度理解したけど、納得したとは言いがたい。あくまで理想論に過ぎないかなぁと思う部分も多々。もちろん、概念自体は素晴らしいんだけどさ。
やはり何もせずに放っておくだけで機能する市場(マーケット)に対して、この考えが食い込むのはムリだろうなぁと思ってしまった。

あとスタンプ貨幣について疑問だったのは、これでみんな貴金属とかの目減りしにくい商品購入に使わなかったんだろうか? もし手元に、確実に目減りする貨幣があったら、目減りしにくい商品をとりあえず買うという消費行動が起こりそうな気がするけど。
また、手元にある金をすぐに使わないといけないということで、ムダな買い物や衝動買いが大量発生すると思うけど、そのコストは無視でいいのかな。

しかしまぁ、色々と示唆に富んだ本でありなかなか面白かった。マイナス利子の貨幣が実際に導入されていた例なんて今まで全く知らなかったし。
カネカネカネの昨今の風潮にすっかり疲れてしまった人も、疲れていない人も、ぜひ一読を。(★★★★)

エンデの遺言 - 「根源からお金を問うこと」
河邑 厚徳 グループ現代
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