木村 剛: 最新版 投資戦略の発想法
有名な木村剛氏の本やね。初心者向けの(マトモな)投資入門書ってとこか。
とりあえず基本的に、
・株式に長期投資せよ
・マイホーム買うな
・日本株式、日本国債、外貨預金(外貨MMF)の3つで十分
・投資信託はボッタクリばっかりだ
・複利運用しろ
ってとこ。漏れの意見とほとんど一致するので、読む必要はあんまり無かった。ちなみに投資信託で、証券会社がはめこみ用の玉を供給するとかの辺りにちゃんと触れている本をはじめて読んだ。感心、感心(偉そう)。
あと、悪徳商法紹介が一つの章にあって、これも結構興味深い。
まぁせっかくなので、気になった点もあげてみる。専門家にしては穴が多いような気が……:
・日本の借金を煽る一方で、まさにその借金そのものの国債を勧めるのが意味不明。
・やたらと1945年と今の物価を比べるけど、新円切り替え後と比べないと意味がないような。そもそもあんな特殊状況の時と比べて煽るのは如何なものかと
・「過去30〜40年で収益が12,3%に収斂」というのをここぞとばかりに言われてもねぇ。そりゃ日本は、その時代に高度経済成長期のいざなぎ景気と、バブル景気がありましたから。過去はそうだったからと言って、今後バブル景気が来るかなんて分からないし、老人王国となる日本(これは確実)に高度経済成長はもう不可能。日本の過去30,40年がたまたまそうだったからといって、今後30,40年にも当てはまるかというと、何の予想にもなりゃしない。
・っつーか全体的に、日本経済に楽観しすぎ。日本株に投資したところで、日本が今後も永久に経済発展していくなんて保証はどこにもない。資本主義経済が発展することと、日本経済が発展することを、意図的に混同している。
・163ページ、「仮に一ヶ月複利3.5%で運用できたとすれば……」とかとんでもないことをサラリと言うのは如何な物かと。そんな50年ももつような、超長期で安定した利回りが得られるモンあるのかね?
まぁ気になったのはこんくらいかな。
結構けなしてしまったけど、全体的に分かりやすいし、初心者が読む本としてはオススメだと思う(★★★★)
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント