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清水一行: 大物


清水 一行: 大物〈第1部 相場師の巻〉
清水 一行: 大物〈第1部 相場師の巻〉


清水 一行: 大物〈第2部 独眼流の巻〉
清水 一行: 大物〈第2部 独眼流の巻〉

清水一行の、典型的な兜町小説。戦後まもない昭和25年、主人公が株で成り上がる様を描いたもの。

戦後の庶民生活を描いた物は山ほどあるけど、戦後まもない兜町の様子ってのはなかなか知ることができない。その点で非常に興味深い描写は多々あった(現金をリュックに詰めて証券会社にやってきたり、黒板に終値を書いていたり、まだ信用取引がなかったり、投資信託が胡散臭いものとして見られていたくだりなど)。
もはや場立ちもいなくなって、ネット取引全盛の今となっても、まさに現場の取引の雰囲気が分かるのも面白い

ただ、軽快に読めて楽しかったものの、小説としてどうかと言うと激しく中途半端。特に奥さんと子供があまりにおざなりだ
とりわけ、産まれた子供に何のフォローももされていないのが少々悲しい。もっと、子供が株の値動きに異常な興味を示すとか、たまたま子供が適当に選んだ銘柄が大暴騰とか、ちょっとしたエピソードを入れるとキャラが生き生きとするだろうにね

あとは、
――やはり
表紙のひたすら濃い顔のおっさんは、いったい誰なのかが激しく気になる。
イメージ的には沼川なんだが、年齢的に合わないし……やはり主人公の忠だろうか? うへー、イメージ崩れたー。もっと飄々とした好青年かと思っていたんだが。(★★★)

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